適応障害

「適応障害」とは

適応障害は、ストレス関連障害の一つです

学校や会社、家庭など周囲の環境にうまく適応できず、そのことがストレス因となって、多彩な心身の症状があらわれ、社会生活に支障が生じるようになった状態です。転居や転勤、転職、部署異動、人間関係(職場、家庭内、学校、恋愛など)、昇格、結婚、離婚、喪失体験、失敗体験、過労、体の病気など何らかの環境因がきっかけで発症します。

適応障害の概念

さまざまな心理社会的ストレス(環境因)によって、心身の緊張状態(ストレス状態)が生じ、それが個人の体質や素因(遺伝因)とのバランスによって、各個人に特有なさまざまなストレス反応が表れます。過大なストレスが長く続いたり、もともとストレスに過敏な体質であったりすると、このバランスが崩れて生活上でもさまざまな支障を来すようになります。

適応障害の症状

• 身体面では、倦怠感、疲れやすい、頭痛、めまい、嘔気、息苦しさ、咳、喉の異物感、胸の圧迫感、動悸、震え、発汗、腹痛、下痢、微熱、涙が止まらないなど。
• 心理面では、気分の落ち込み、不安感、焦り、意欲低下、思考力低下、集中力低下、判断力低下、食欲低下、睡眠障害(不眠、過眠)、イライラ感、緊張感など。
• 行動面では、遅刻、早退、欠勤、飲酒量増加、浪費、過食、自傷行為など。

適応障害の治療法

非薬物療法

まずは自らがストレス状態にあることを自覚し、その原因と考えられる心理社会的ストレスの解消ないし軽減を図ることが最優先となります。
対処法はストレスの原因にもよりますが、職場であれば業務量の調整、配置換えや部署異動による環境調整などによって症状の軽減を図ります。症状が強い場合は、ストレスから十分に距離を取って休息する必要があるため、休学、休職なども検討します。

薬物療法

各個人それぞれの症状に応じて、対症的に抗不安薬や睡眠薬、抗うつ薬などを組み合わせて薬物用法を行います。薬物療法によって症状が緩和され、徐々にストレス環境に適応していくことができる場合もあります。